記帳業務を行う場合、大手企業なら経理部門があり、専門の経理スタッフを雇う余裕があるかと思われます。しかし個人経営や中小企業だと、必ずしもそうはいきません。
税理士に委託するか、経営者や一部のスタッフが兼任で経理を回しているケースが多いのではないでしょうか、
そんな会社におすすめしたいのが、記帳代行業者への業務委託です。税理士よりも費用を抑えて、日頃の記帳業務を委託することができます。
ただし業務委託にはいくつかの注意点があります。今回は記帳代行業者に業務委託する際のメリットや注意点について、追っておきましょう。
目次
記帳代行業者に業務委託できる内容
源泉徴収、経費処理、給与計算など
タイムレコーダー/IDカードからの勤怠データ集計、残業代・保険料・各種手当の計算、給与の算出、振込などを行います。
また年末調整代行なども含めて、一括業務を依頼できる業者も存在します。
勤怠管理、監査など
勤務状況の一覧作成、業務効率化への提言、監査に必要な書類作成代行などを行います。
自社で行うよりも短時間で、かつ効率の良い作業が期待できるでしょう。
振込、支払、請求など
仕訳の記帳代行、現金出納帳の精査、支払予定表の作成や請求書管理、各種金融機関への振込や税金納付などの支払業務を行います。
最近では、売掛金・買掛金管理なども受注可能な業者も増えています。
業務委託とは?
業務委託契約とは、業務の一部またはすべてを委託先に任せる際に締結する契約を指します。
事業者間の取引においては、広く結ばれる契約であると言えるでしょう。
経理作業も業務委託することが可能です。経理の業務委託と聞くと、会計ソフトのデータ入力を委託するといったイメージを抱く人も多いかもしれません。
しかし実際の経理業務委託は内容が幅広く、多岐に渡ります。
業務委託に関する法律
法律では、業務委託契約の中身を定めた規定はありません。民法では典型契約と呼ばれる、13種類の契約が規定されています。
内容には売買契約や賃貸借契約、寄託契約や終身定期金契約などがありますが、業務委託契約という類型はありません。
そのため業務委託は、問題があった際には法律ではなく契約の趣旨や中身に照らし合わせて内容が検討されます。
トラブル処理の際には、契約上の文言、契約の趣旨、民法上の手がかりとなる規定を探して当てはめることになります。
民法上の請負契約、委任契約、あるいは両者が混合されたものなど、さまざまな内容をベースに検討していくことになるでしょう。
請負と委任の違い
業務委託における請負の考え方
業務委託における、請負は業務を完成させることを目的として結ばれる契約です。
例えば、営業の業務委託において、営業活動を行ったとしても、「営業をして売上を上げる」という最終目標が達成できなければ、営業活動のみに報酬は払われないというわけです。
業務委託において、請負人は依頼された仕事を完成させることで、報酬が支払われることになります。
業務委託における委任の考え方
「委任契約」とは、ある事務の処理を自社以外の外部に任せる内容の契約を指します。委任の目的とは、委任する業務の遂行に当たります。
業務を行いさえすれば、具体的な成果物がなくても対価が発生するところが請負契約との大きな違いです。
企業が研修の為に外部講師を雇う場合、委任契約になるケースが多いかと思われます。講師が依頼内容に基づいて研修を行えば、契約は履行されたことになります。
たとえ受講者が望んだ通りに学んでくれなかったとしても、請負人には契約した報酬を支払わなければなりません。
記帳代行業者へ業務委託を行うメリット
コストの削減
記帳代行を業務委託することにより、経理担当者の採用費・給与といった固定費のコスト削減に繋がります。
社員を採用するとなると、福利厚生や社会保険料を負担する義務が発生します。会社によっては重い負担となりますが、業務委託ならこれらのコストが必要ありません。
また新たな経理スタッフを雇う場合、業務の引き継ぎやノウハウ教育の期間が必要になってきます。
しかし業務委託ならアウトソーシング先に人材が揃っているので、人材育成の時間を大幅に短縮できるでしょう。そのため企業は大幅なコストカットが実現できます。
正確な記帳作業
記帳代行業者には、経理・記帳に関するエキスパートが揃っています。簿記や会計資格を持っているスタッフが多い業者を選べば、正確な仕訳・入力を行ってくれるでしょう。
経理専任スタッフがいない個人事業主や中小企業の場合、兼任スタッフや経営者が空いた時間に記帳を行うケースも見受けられます。
そのため記帳漏れや入力ミスが発生しやすく、不正確な朝護ができてしまうことも少なくありません。
記帳代行業者なら、効率的かつ正確な数字を管理してくれます。業務委託は会社にとっては大きなメリットとなるでしょう。
コア業務への集中
専門の経理スタッフがいない企業だと、業務終了後や休日に経営者やスタッフが記帳を行っているケースも少なくありません。
記帳業務をアウトソーシングすることにより、これまで社内で処理していた経理業務の負担を減らすことができます。
本来必要なコア業務にリソースを集中させることができるので、さまざまな恩恵が期待できるでしょう。
記帳代行業者へ業務委託を行うときの注意点
代行可能な業務内容を確認する
記帳代行を依頼する前に、外部に依頼可能な業務内容を確認しておく必要があります。
企業によってアウトソーシングできる内容は、異なってくるかと思われます。どこまで代行可能なのかをよく考えた上で、代行業者を選びましょう。
安全性の高いサービスを選定する
記帳代行を依頼する場合、情報の機密性と取り扱いに関して細心の注意を払う必要があるでしょう。
記帳する際には領収書や日々の売上情報など、会社の台所事情を相手の業者に渡すことになります。
社内の経理情報を外部に持ち出す以上、情報漏洩のリスクが上がってしまうことを忘れないようにしてください。
会計情報の流出や不正利用を防ぐ為にも、情報の取り扱いに慎重で、安全性の高い信頼できる業者を選びましょう。
優先したいポイントを明確にする
記帳代行を利用する際には、業務委託する上で一番優先したいポイントを明確にしておく必要があります。
たとえば入力の正確性を優先する会社もあれば、情報漏洩に対する安全性の高さを最優先と考える企業もあるでしょう。
コスト削減を第一に考え、料金の安さにこだわる企業もあります。記帳以外の業務にも対応してくれる業者を探している企業もあるでしょう。
起業代行に求める内容は、会社によって様々です。すべてを満たす業者を発見するのは簡単ではありません。
優先順位をしっかり決めて、優先事項を順番に探していくと、効率的に業者の発見できるでしょう。
業務委託できる記帳代行業者のおすすめ
KANBEI
「KANBEI」は、クラウド会計ソフトfreeeに特化した記帳代行サービスです。freeeに特化しているので、低コストでの記帳作業サービスを実現しました。
提携税理士もサポートに入ってくれるので、税務処理も任せられます。電子申告にも対応しているので、お手軽かつスムーズに確定申告を完了させられます。
料金も個人事業主向けのミニマムプランから、オフィス・複数店舗向けのバリュープランまで用意しているので、個人事業主や中小企業でも気軽に導入できるでしょう。
フジ子さん
「フジ子さん」はオンラインアシスタントサービスですが、記帳代行を依頼することも可能なサービスです。
記帳代行以外にも、経理、秘書、Web運用といった幅広い業務に対応してくれます。オンライン秘書という扱いなので、余った時間を他の業務に回すこともできるでしょう。
料金設定は作業時間により定められています。そのため、作業時間が多いほど納期も早くなるといった特徴があります。
ただし税務申告などは行えないので、注意してください。
Write(ライト・コミュニケーションズ)
「Write」は、東京で10年以上の実績があるオンライン記帳代行サービスです。初期登録に費用が発生しますが、最短5営業日の納品が可能です。
Writeの記帳代行なら、毎月の領収書や預金帳のコピー、売上・仕入の請求書を預けるだけで完了します。
会計帳簿の作成まで行ってくれるので、多少費用がかかってもスピーディな納品を求める人にオススメといえるでしょう。
また専任の担当者が毎月の作業にあたってくれるので、代行サービスでありながら自社スタッフと同じ感覚で利用できるのも特徴の一つです。
まとめ
経理業務の中には業務委託可能な業務が多く、記帳代行もその中の一つです。
現在記帳業務がどの程度負担になっているのか確認して、求める事柄を明確にしてから、記帳代行業者を選ぶようにしてください。
負担となっている部分に業務代行を取り入れ、空いたリソースをコア業務に集中させれば、企業にとって大きなプラスとなります。
社員を雇うほどでもないけれど負担がかかる業務は、外部のプロに任せる時代です。この機会に業務委託を検討されてみてはいかがでしょうか。
関連記事リンク
会計業務の「常識」が変わります!
KANBEIサービスサイトへ